『狗神の花嫁』 [BL小説]


狗神の花嫁【キャラ文庫】

狗神の花嫁【キャラ文庫】

  • 作者: 樋口美沙緒
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2012/01/27
  • メディア: 文庫


「命を助けてやる代わり、20歳になったら迎えに行く」
雪山で遭難した10歳の比呂にそう告げたのは、山を治める九尾の狼。
絶対夢だと思っていたのに、10年後、現れた狗神は比呂を強引に拉致!!
神気が弱まり、人間の精気を喰らって力を保つ狗神に、
「貴様ごとき好きで伴侶にすると思うな」と無理やり抱かれてしまい!?
昼は美しい銀狼、夜は傲慢な捕食者の男に変貌する神との、
恋の御伽草子[ハート]
ーーーーーー(背表紙より)ーーーーーー



奇跡を受ける代わりに花嫁になる、成人とともに迎えにくるという、人外のものと人間の関係として定番感のある設定。
狗神の行動は、比呂から見れば理不尽そのもの。
「神と人」である限り、対等な関係にはなれないのは、ある意味当たり前のようにも思うのですが、比呂は意外なほど率直に怒りをぶつけていますね。
物語も後半に差し掛かる頃まで、まったく心を通わせることも出来ず、お互いによそよそしい関係が続いていきます。
お互いに手ひどく傷ついた後で、心を寄り添わせるようになってからは、本当にラブラブな関係になれます。(物語的にはその後も紆余曲折がありますが…w)
それまでの判り合えなさとの大きな落差に戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的には大きな障害を乗り越えた達成感みたいなものを感じられて、いいと思いました。

狗神のツンデレっぷりと、茜のかわいらしさが高得点。
樋口さんの作品は初めてですが、読みやすくて心地よい文章を書かれますし、安心して読める作品だと思います。
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