『キスは痛いくらいがちょうどいい』 [BL小説]


キスは痛いくらいがちょうどいい (ラヴァーズ文庫)

キスは痛いくらいがちょうどいい (ラヴァーズ文庫)

  • 作者: 千地 イチ
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2012/03/24
  • メディア: 文庫


《背表紙》
金もない、夢もない、したい事もない…。
堕落した生活を送っている美大生の小菅純太は、新しく決まったアルバイト先のデザイン事務所で、妙な男と出会う。
誰とも口をきかず、目も合わせない、だけどとても綺麗な男。
小菅は一瞬にして、この波古一貴(通称ハコイチ)の、神秘的な魅力に惹かれていくのを感じた。
誰より孤独で、何にも染まらない純真なハコイチを、独り占めしたい。
小菅は少しずつ近づいていくことにするが、ある日偶然、ハコイチの驚くべき秘密を知ってしまい……!


千地イチさんは初読みです。
挿絵が大好きな奈良千春さんなので読んでみようと購入してみました。
主人公の小菅君、正直なところ全くと言っていいほど魅力を感じられないキャラ設定なんですよね。
素敵!って思える部分はありません!(言い切ったw)
そしてハコイチさん。
こちらはビジュアル的にも性格設定的にもかなり好ましいんですが…
普段の私の好みからこちらが攻めなんですよね…w
ずっと「逆だよ、逆〜」と思いながら読まなきゃならんという(笑)

と、基本設定の所で大きく好みから外れていたんですけれども、お話としてはとてもしっくりくるところがあって、読めてしまいました。
攻めと受けの役割り分担(w)も、二人の性格からするとまあ、こうであっても仕方がないと納得しちゃうんですよ^^;
ヘビーになりそうな背景やエピソードを織り交ぜながらも、突き抜けたサッパリ感の漂う作風とでも言いましょうか。
持って行き方によっては木原音瀬さんの『秘密』のようにダークな方向になっても不思議じゃないと思うのですが、そうはならないのがこの作家さんの持ち味なのかもしれません。

小菅君はまあ、ホントに情けない感じで突っ走ってますが、ハコイチさんはありえないストイックさを体現した、ある意味ナイスガイですね。
静かな決意を貫く人のようなので、この先どんな風に成長していくのかぜひとも見てみたい気持になりますね。
いつか攻めと受けが逆になること、期待しちゃいます(笑)

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